資産形成をやろうとするときにNISAとiDecoという制度を聞くと思います。
その時、「iDecoはやるべきなのか?」という点についてあなたはどう考えていますか?
私はNISAに加えてiDecoもやっています。
実際に両方とも取り組んでいる経験から、iDecoはやるべきなのか?について説明します。
先に結論だけ言ってしまうと、2024年から始まる新NISAの投資枠1800万円を5年で使い切れる人はiDecoをやってもいいです。そうでない人はiDecoはやらなくていいというのが私の考えです。
iDecoのメリットは掛金全額所得控除
最初に明確にしておきたいですが、iDecoのメリットは掛け金が全額所得控除になり所得税を安くできること、です。他に非課税で運用できるのもメリットではあるのですが、実はこれは副次的なメリットです。
「iDecoのメリットは掛金全額所得控除」と覚えておきましょう。
これは重要なポイントです。
何故ならこの点からあなたがiDecoをやるべきかどうか判断できるからです。
所得控除のメリットを受けるためにはそもそもあなたの所得が高く所得税額が多い必要があります。あなたの年収が高くなく支払い所得税も低い場合、所得税控除のメリットはたかがしれてますので、わざわざiDecoをやる必要がないのです。
iDecoのデメリット
NISAとは違い、iDecoという制度には60歳になるまで原則引き出せないデメリットがあります。
引き出せない間はiDecoで運用し続ける必要がありますが、その場合最低でも月66円の手数料がかかります(掛金拠出しない場合、楽天証券の場合。2023年3月時点)。
月66円ですから大した手数料ではないのですが、お金を引き出せない上に月66円の手数料を60歳まで引かれ続けるというのはそれなりの精神的な負担です。
また、家庭の都合やご出産・育児であなたが専業主婦で収入がなくなった場合は、所得税を払っていないわけですから、そもそもiDecoのメリットである掛金のお全額所得控除を受けることができません。
私の見方ですが、iDecoは安定的に60歳まで日本で高収入が期待できる人向けの制度だと考えています。
逆にいうと、あなたが
- 所得が高くない
- ライフプラン上専業主婦など仕事をせず収入がない期間が想定される
場合は、iDecoのメリットを十分に受けられないばかりか、デメリットの影響の方が多いです。
優先すべきはNISA
あなたがiDecoをやるべきなのは、あなたにそれが可能な場合です。
あなたがiDecoをやるべきかどうか迷っているのであれば、あなたが新NISAの投資枠1800万円を5年で最速で使い切れるか考えてみてください。
NISA 1800万円を5年で投資完了できるというのは相当に収入や資金に余裕がある方のはずです。その場合は、iDecoの非課税枠を使ってさらに投資を拡充するメリットがあります。
もし1800万円の枠を20年、30年といった長期で使い切る予定であれば、まずやるべきはNISAです。このためiDecoはやらなくていいというのが私の考えです。
最終的なご判断はあなた自身でやるべきものですが、本記事で紹介したiDecoをやるべきかの基準を参考にして考えてみてください。
まとめ
記事の結論は、2024年から始まる新NISAの投資枠1800万円を5年で使い切れる人はiDecoもやってもいいが、そうでない場合はiDecoはやらなくても良いということです。iDecoのメリットは掛金が全額所得控除になり所得税を安くできることであるが、デメリットとして60歳まで引き出せない点が挙げられます。優先すべきはNISAであり、iDecoはNISAの投資枠を完了した後に検討することが推奨されます。